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風と共に

山、川、空、大地、が描かれている風景画。ふと思ったのですが、
なぜ風の景色と書くのだろう。風は直接みることはできない。
しかし感じることはできる。ものの動きや音や皮膚感覚で。
樹々のざわめき、川面のきらめき、空をただよう雲、揺らぐ草木。
自然を描写するとき、そこに風を感じられるかどうかが、
実はとても重要なのではないか。

同様に光景という言葉もあって、風と光を併せた風光明媚なんて
褒め言葉もあります。風や光は演劇でいうところの音響や照明係の
ように、自然の舞台映えに不可欠なものなのである。

そして植田さんの描く白い空間には風と光が共演している。
風の音に耳をすまし、川の流れにゆったりと身を委ねる
ように味わいたい絵本。力んでばかりじゃ遠くへ行けない。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
未来派の絵画やアニメーションは、さしずめ
時景画といえるかも。
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