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【絵本セレクション2020】

2020/12/31 Thu 10:50

今年の絵本レビューを振り返り10冊を選んでみました。

①もしものせかい:ヨシタケシンスケ→妄想力の正しい使い方


②バスザウルス:五十嵐 大介→魂が乗り込みたくなる奇怪バス


③ミライノイチニチ:コマツ シンヤ→明るい未来へタイムスリップ


④Mou:Naffy→装丁も含め劇的世界が展開


⑤まほうの木:イーゴリ オレイニコフ/アンドレイ ウサチョフ→絵の中にずっと浸りたい


⑥オニガシマラソン:トロル→妖怪たちのバトルは隅々まで見どころ


⑦まんぷくよこちょう:なかざわ くみこ→商店街を探索するように長居できる


⑧やねうらべやのおばけ:しおたにまみこ→美しいショートアニメのよう


⑨ぼくの ポーポが こいを した: 村田 沙耶香/米増 由香→恋愛と変愛の間で揺さぶられる


⑩ここは:最果タヒ/及川賢治→自分の居場所を再認識


総括----------------------------------------------------
今年は絵本のレビュー数が少なかった。例年の半分くらいだし、
2冊だけという月もありました。コロナ禍というより限られた
時間を個人的な制作に使ったのが大きな理由です。とはいえ
仮に他の作品もよんだとしても、今回選んだ10冊は私の中では
上位にくると確信しています。自宅に居る時間が増えたせいか
別の世界へ連れ出してくれる作品に特に魅力を感じました。
①ポジティブな現実逃避、②日常を一変する奇怪な乗り物
③希望あふれる未来世界、⑦密が心配で行きにくい所
⑧篭もりたい秘密の小部屋、劇場や美術鑑賞にも似た④⑤など。

それと昨年も書きましたがネコの絵本が相変わらず多い。
ステイホームでペットと過す時間が増えると、その魅力を
伝える絵本はより共感しやすいのかもしれない。
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終わっちゃった

20年も続いたこのシリーズもついに終わったのですね。
本来ならあさたろうも中年に差し掛かる年齢になりますが、
作中の時間は1年も経っていないのでは。江戸から京都まで
の東海道の旅でも歩いて約2週間らしいですし。

長編時代劇物の良さは何年経っても古くならないこと。
家電品や流行物など絡んでくると、後になればなるほど
世界観のつじつま合わせ問題が出やすくなります。
昔の特撮ヒーロー物で例えると、人造人間キカイダーは
今見るとメカや設定が古臭くさいですが、怪傑ライオン丸は
世界観が全く破綻していない。逆に新鮮だったりします。
つまりはそういうことで、じっくりと主人公の心情の変化や
成長を描くのにも良い設定だったのではないでしょうか。

今回はなぜか通常の2冊分のボリューム。国定忠治らしき男との
出会いや懐かしキャラとの再開、ねぎ汁スプラッシュもありと、
盛りだくさんの内容ですが、最後はちょっと駆け足になった感が。
故郷の秩父にもどってからの、家族とのやりとりが何もないし。
もうちょっと余韻に浸りたかったです。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
大晦日ということで、シリーズ最終巻を取り上げて
みました。それではよいお年を。
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さみしさと出会う

誰も目に止めない道端の石ころに自分の存在を重ね合わせる
野良の黒猫。なんとも思索的です。自分の内なる気持ちと
向き合っているように見えますが、本当は見て見ぬふりを
していたのですね。それに気づいたのは、優しくされる
ことに直面してから。今まで生きてきた世界とは別の世界と
触れ合う怖さまでも伝わってきて心がヒリヒリしました。

自分の内なる声に耳を傾けるの本当に難しい。
感じていた事を伝えようと言葉に出す瞬間に、何か別の
力が邪魔をして、思ってもないことを言ってしまうとか、
しょっちゅうあるし。ちっぽけなプライドとかね。

野良猫は優しさに出会ったことで、逆にさみしさとも素直に
向き合えるようになったのではないでしょうか。
様々な感情を内容しているかのごとく、しっとりとした
黒が味わい深い。原画の紙版画も素敵なのでしょうね。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
あっ、また猫の絵本が出たんだな、ぐらいに思ってたの
ですが、youtubeでの紹介をみて、これは読まねばと
昨日書店に直行しました。
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覚醒力に満ちた色彩


阿部さんの描く世界の色は、なにげない日常をより鮮明に、
見せてくれる。例えば、眩しさの中に感じる命の営みとか、
暖かさを通して伝わってくる生きている実感のようなものとか。

絵本の中で繰り返される”めざめる”という言葉は
五感を超えた、何かの覚醒まで含まれているようだ。
画面から届く光は、繰り返される日常に慣れきった
感覚までも、ハッと目覚めさせてくれるのです。

絵本の最後の問いかけは、人類に対する究極の問いかけですね。
これを描くことは、もはや不可能。でも案外身近なところに
見つけられるのかもしれない。今朝、何かが目覚めたことは
確かなのだから。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
絵本は楽しむものというより、思索を深める
ための入り口になってきている。
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食べ物絵本職人の技を堪能


最初はめくりの仕掛けの秀逸さに、続いてお客様の意外性に、
最後にドキッと、3種の味わいが楽しめる絵本です。
寿司に例えれば、職人の技に見とれ、想像を超えた味に納得、
ワサビの効かせかたも絶妙、といった感じです。
よくよく見ると見返しから、ちゃんとネタが仕込んで
あったのですね。寿司好きも絵本好きも大満足ですぞ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥にからめた12種の寿司は
できるだろうか? 牛、羊、馬は肉として扱えそう。
鶏は卵があるし、猪は豚でもOK。蛇は鰻に置き換えて、
猿はバナナとか、虎はブラックタイガーで。
ネズミ、ウサギ、竜、犬はどうしようか?
などと真剣に悩んでいるのも年末ならでは。
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夢見心地で旅行気分に


いいなぁ、イーゴリー・オレイニコフの描く世界は。
ためいきが出るほど素晴らしく、ずっと浸っていたくなります。
全ての絵の背景に必ず描かれているのが大きな木。これはタイトルにも
なっている魔法の木で、なんでも願い事をかなえてくれるらしい。
アイスを食べまくったアザラシ、スピードを求めて車になった馬、
お城が空を飛んだり、家ごと旅行できる鉄道ツアーなど
願いをかなえた動物たちや、楽しい生活などが紹介されます。

これは全て、魔法の木がある惑星O(オー)での出来事で、
時折紹介される、この星ならではの風物も幻想的です。
それぞれの画面に添えられた文章も味わい深く
絵の世界に留まる時間を豊かにしてくれました。

不思議な旅情を誘う絵本で、読後感は旅に出かける前に
あれこれ空想する楽しさに通じるものがあります。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
絵本は空想の世界に飛び立つ翼だ。
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心優しい骸骨夫婦

今年出版された絵本には、異常な作品が増えているように思う。
本書もその中のひとつで、素通りしようとしたけど、
怖いもの見たさで、つい引き返し手にとってしまった。

絵のタッチは昔の少年少女文学全集を彷彿させる懐かしい雰囲気
なのですが、丁寧に描かれているのは骸骨たち。もちろん骸骨が
活躍する絵本はたくさんあります。でも、このリアルなタッチで
描かれるとけっこうホラーです。かといって怪談絵本ではなく、
話の展開はきわめて真っ当なので感覚が混乱してくる。

人間界の殺伐さを伝える為に、あえてこう描いたのでしょうか。
最後のメッセージで言わんとしていることは理解できましたが、
骸骨のインパクトのほうが印象に残ってしまいました。

子どもはどう思うのだろう?

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
そろそろ部屋の片付けをしたほうが良さそうだな。
何がどこにあるのか分からなくなってきたので。
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上は何をする人ぞ

コントロールを失ったリモコンの玩具のボットを
追いかける話なのですが、このボットというのが
ドローンのような飛行型なので、ただひたすら
上へ上へと飛んで行ってしまうのです。

それを見つけたビルのドアマンを始め、高層ビルの
各階の住人たちは、ボットを捕まえようとあれこれ
試みるものの、うまくいかずボットはビルの天辺へ。
ああ、もうダメかというところで・・・

縦長の画面は、めくる度にビルの上へ上へと
垂直に進んでいくので、ボットを追いかけつつ
様々な住人たちの様子が見れるのも楽しいです。
ヘンな格好をしてたり、えっなんでここにいるの?
という者まで。そして最後に真打?登場。
ハリウッドの有名な某映画を知っていると、
このオチにはニヤリとなります。

英語版ですが、絵だけでも十分楽しめますよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
Eテレの「浦沢直樹の漫勉」にハマってしまい
DVD全10巻セットを購入してしまいました。
プロの漫画家の技の凄さだけでなく、常識と
思ってたことが毎回覆されるところがいい。
年末年始は熊本に籠もる予定なので、
じっくり堪能しようと思います。
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行って帰れる言葉

全国47都道府県を回文で紹介する絵本です。
ほっかいどう、あおもり、あきた〜おきなわ まで。
回文に都道府県名が盛り込まれていることはもちろん、
その地の特徴も伝えてくれるのが見事です。
添えられた絵にも、特産物や、ゆかりある人や、名所など
描かれているので、そうそう!と思わず納得。
中には無茶振り的な回文もありますが、それも絵で
表現しているところは笑いを誘いますね。
コロナ禍で旅行も遠慮がちになる中、散歩気分で
各地を巡れますよ。

ちなみに私の住んでる熊本県では熊が糸を巻いている絵が。
いやいや、これは無理矢理だろうと思ったら、国内最大の
カイコ工場が山鹿に出来ていたことを知りました。
まいった!

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
そろそろ全部印刷できたかな、と思ったら、途中で
紙やインクが切れて停止してることが多い。
どうして自宅のプリンターは見張ってないと
仕事をしないのだろう。
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「あ」と仲良しに

仮名の「あ」をキャラクター化したユニークな絵本。
「あ」がひとりで寂しがっていると、他の仮名がやってくる。
そして「あ」+「?」で何かになったり、何かが起こったりします。
「あ」も色々いて、活動的な「あ」や、いじわるな「あ」など
いるんですね。相棒となる仮名もなるほどです。

文字にくっついてる子どものようなキャラは「あ」の気持ちを
代弁してますが、ちょっと説明的かなと思いました。
できれば文字だけで完結して欲しかった。

「ん」も五十音の中では特別なポジションなので
絵本化できそう。一等賞の金、楽しい本、美味しいパンなど
語尾にくっついて活躍できる。しりとりでは悪役だけど・・・

仮名ひとつのタイトルの絵本では
「の:junaida作」もおすすめ、こちらは何かと何かを
つなぐ役割としての「の」が登場します。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
余談ですが、出版社名も「あ」で始まってる。
動物のリスと仲がいいのですね。でもクマと仲良くなると
恐ろしいことに・・・
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