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くしゃみに注意

特有の柄をもつ動物は絵本のネタにしやすいですね。
なかでも「チーター大セール:高畠 那生」はとぼけた
ユーモアとシュールな世界観が魅力でした。

本作もチーターと柄が分離してしまうところは
共通してますが、サバンナを舞台にして縦横無尽に
動き回るところが見どころのひとつになってます。
自慢のてんてん柄を取り戻すべく奮闘するチーターが
微笑ましい。しかし最後は好みが分かれそう。
チーターが身体能力を発揮する見せ場を期待しましたが、
ちょっと肩透かしをくらってしまいました。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
動物界でもソーシャルディスタンスをとらねば
ならないとしたら、アリは大変だろうなと、
いらぬ心配をしてしまった。

 
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ネタ出しのヒントにも


アイデアというものは、異質な要素の掛け合わせで
生まれるといわれますが、それを見事に実践して
くれる、上下分割のしかけ絵本でした。

【おすすめの読み方】
1:まずは上下に別れたページを別々ではなく、
同時にめくってください。それだけでもちゃんと楽しめます。
食べ物だけかと思っていると意表をつかれ、最後には
締めの画面が用意されて絵本としても、しっかり完結してます。
2:次はお気に入りの見開きにて、上だけ又は下だけを
みくってみる。画面の右と左の絵に関連性があるので、
組合せの妙だけでなく、背後の物語まで感じられます。
3:後はランダムにページをめくって、意外な組合せ
に驚きまくる。どれも楽しいですよ。

絵の横に添えられた文も同時に組み替えられ、
それがそのまま組絵のタイトルになるのも秀逸。
厚手の紙で製本されているので、その日の気分で
好みの組合せを作って飾っておくのも一興です。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
インドに滞在してた頃は、雨で道路が冠水するのは
日常的な事だったけど、これが日本で全国的に
起こるとは・・・

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美味しくなる方程式

何かを”かける”ことによって料理が完成する瞬間を
鮮やかに描いた食欲をそそる絵本です。
かける物は様々で、表紙のように主役そのものだったり、
彩りを加えるものだったり、味のアクセントになるもの
だったり。先にかける物が登場し、期待を膨らませた後に
ページをめくると完成した料理がバーンと明らかになる
2画面の展開。料理に添えられたダジャレ風味の文で
達成感も増幅。シンプルな構成ながらも料理ごとに
見せ方の工夫がされていて絵本として楽しめました。

和風、洋風、中華に、デザートもちゃんとあって、
”かける”のフルコースが味わえる作品ですよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
一昨日、ゆめタウンに車で本を買いに行ったあら、入り口が
冠水で通行止めに。別の侵入ルートを探して付近をうろうろ
しているうちに雨が弱まり、通行止めが解除され無事に
たどり着けました。でも落ち着いて買い物できなかった。

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コップの泳ぎやいかに

絵本の世界観がうまく掴みきれませんでした。

まずコップやタオルに手足があること。擬人化された
表現とはいえ、泳ぐというアクションに対して身体能力的に
フェアじゃないのでは。水泳教室では人間の子どもたちや
先生ともコミュニケーションするので、なおさら違和感が
ありました。人間の体を借りるのではなく、物としての
特徴を徹底的に活かして欲しかった。

次に水泳教室では人間以外の生徒も数人(匹)混じって
いたので、きっと何かやってくれると思いきや、特に
何もなく、物足りなかったです。コップとからんで色々と
面白い事を期待したのですが。

人と関わるのだったら、冒頭で日常でのコップの立場、
役割などが明確になっていると、物語を通しての
変化が描けて作品に深みがでたのでは。

などなど勝手なことを書かせていただきましたが、
もしも自分が同じ作品を出版社に持ち込んだとしたら、
このような指摘をされるだろうなと想像した次第です。

二宮さんの作品では「コロッケくんのぼうけん」で
歯磨き用コップ、カニクリームコロッケ、パイナップルの
空き缶が旅に出かける話があります。こちらはそれぞれの
持ち味が存分に発揮されて、個人的に好きなベンチマーク
のひとつなので、それとも比較してしまいました。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
今朝はつい長々と書いてしまった。
絵本を素直に楽しむのも難しいものだなぁ。

 
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読むお化け屋敷

田舎の古い民家にて蝋燭の明かりの前で、お婆ちゃんが
読み聞かせをすると良い感じの怪談絵本です。

恐怖の体験をするのは、姿を消した飼い猫を探し、
異界へ踏み込んだ女の子。画面全体にまとわり付く
モヤっとしたトーンが不穏な空気を醸し出してますね。
そして恐怖は猫の忍び足のごとく、近づいて来る。

暗い森で道に迷ったところに現れた屋敷の明かり。
女の子を迎え入れる老婆の偽りの優しさ。
ご馳走によるおもてなしの裏に潜む罠。
行方不明になった村人たちの成れの果て。
じわりじわりと恐怖が胸に染み渡ってきます。
そして女の子が真実に気づいたときには・・・

この世の中には、けっして人間が踏み入っては
ならない世界が存在する。恐怖の中にも戒めが
感じられる作品でした。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
逆に、猫好きはこの屋敷で暮らしたいなんて
思うかもしれない。

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読後は歯磨きがレベルアップ

ちょっと視点を変えることで日常が非日常に。
歯磨きをRPG風の冒険にみたててしまうという絵本です。
ドラクエ世代には響く内容ですね。モンスター(食べカス)と
の戦いでHP/MP/LVの値が増減したり、文章が荒いドットの
デジタルフォントで表記されていたりと、さり気ない演出に
ニヤリとなりました。読後は毎日の歯磨きが楽しくなるかも。
清潔感のある淡い色調の絵柄と、ほのぼのとしたキャラで
モンスターとのバトルも安心して楽しめました。

毎日の習慣が冒険になってしまうという絵本では
「トイレロケット:はっとり ひろき」もお勧め。
迫力ある絵で緊張から緩和の変化がみごとですよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
昨日、1回目のワクチン接種完了。対コロナレベルが
アップ。でも夏休みはおとなしく過ごします。

  
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群衆の中の孤独

数多くの家が巨人にひとかたまりにされた表紙画は
junaidaさんならではで、タイトルと合わせて期待が
高まりました。ところが、読み進むうちに、ちょっとづつ
思っていた方向とずれていき、あれっ、これで良かったの
かな、という違和感を払えませんでした。

巨人の気持ちが空回りしている中、唯一共感し合える者と
の出会いが物語の山場になるのですが、そこは割と
アッサリしていた。それは少年の立場があいまいなので。
巨人と対比しやすい者(例えば小人とか、別の怪物とか)
と絡ませたほうが寓話としてはまとまったのではと思います。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
あと一週間で夏休み。先日GWがあったばかりなのに。


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