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寝た後も怪獣ごっこだ

これはウルトラマン世代のパパにも受ける絵本ですね。
男の子が寝床で妄想した怪獣たちが実にユニーク。
モチーフは家族の寝姿で、いびきや歯ぎしりや寝言を
怪獣化してしまうのです。さらにそれぞれの怪獣を
図解化して体内の様子まで描くという徹底ぶり。
体内には恐ろしいものが詰まっているかと思いきや・・・

怪獣化を通し、男の子の家族愛が伝わってきて
微笑ましかったです。本書を枕の下に忍ばせて寝たら
やんちゃで楽しい夢がみれるかもしれません。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
今朝の夢は、期限が迫ってあせる系でした。
なぜか昼礼時にみんなの前でマジックをすることに
なってて、全く準備ができてなく、衣装をどうするか
悩んでたところで目覚めた。時計は4:15だった。

  
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恐怖とのかくれんぼ

女の子が猫と楽しくかくれんぼ遊びをする絵本なんだな、
と思いつつも、表紙にただよう不穏な空気にとまどいました。
この不安はページをめくる度に明らかになっていきます。

そいつは可愛い顔をして近づいてきたけれど、
心を許したスキに豹変します。そして無理やりそいつの
遊びに付き合わされるはめになります。どこに行っても
どこまで行っても、そいつの追跡を逃れることはできない。
必ずどこかに潜んでいるのですから。

隠れているのは忍び寄る猫の恐怖なのです。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
恐怖・怪談系の絵本も増えてきた。カレー店で辛さを
指定するときのように、怖さ5倍でお願いします。
なんて絵本選びもできそう。

例えば 甘こわ 中こわ 大こわ で言うと。

  
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夢見る前に上を見ろ

ショートコント風の展開は相変わらずのJ.クラッセン。
ですが、とぼけた味わいの中にも恐怖を感じました。
これは天災による世界の破滅を暗示しているのか。

ひとつの場所にこだわり続けることの危険性もあれば、
右と左のどちらへ行くかが命運を左右することもある。
悲観的な未来は想像したくないが、現実は冷酷なものだ。
我々は偶然の積み重ねで生きながらえているだけかも。
などと、難しい事を考えてしまったのは、読後にニヤリ
と緩んでしまった緊張感を忘れずにいたいから。

今回は一冊の中に以下の5作が盛り込まれています。
1.いわ 2.おちる 3.みらい 4.しずむ 5.まんいん
通常の絵本3冊分のページ数でお得感あり。

空から何かが落ちてくるユーモラスな絵本では
『そらから ぼふ~ん:高畠 那生』
『ふってきました:もとした いづみ/石井 聖岳』
などなど色々とありますね。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
天井からナイフがゆっくりと落ちてくる。それを仰向け
になって見つめながらも、体が動かず逃げられない。
子供の頃、熱をだして寝ていたときにみた怖い夢です。

   
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家中の小さな幸せ再発見

身近な食べ物や机上の小物類などが、小さな人形の視点を
通すことでドラマチックなシーンへ早変わり。例えば
表紙の写真のように食パンがフカフカのソファになり、
お菓子が家具に見立てられる。そこに家族の人形を配する
ことで甘く幸せなシーンが生まれるのだ。

人形と小物類の関連付けが絶妙です。今や使われなくなった
カセットテープやプレイヤーでさえも人生の一コマを
彩る主役となっている。どの写真もその物が持っている
形の特徴、本来の機能や味、そして小さな人形との関係性が
見事にハマって、映画や絵本のような物語が生まれています。

これは作っているほうも楽しいでしょうね。それぞれの
写真に小さく添えられたキャッチコピー風のタイトルからも
作者の遊び心が伝わってきました。

もしも小さな人形たちが外界へ繰り出したらどうなるか。
なんて妄想をされたなら「こびとの住む街:スリンカチュ」
をどうぞ。こちらはシリアスで風刺も効いてます。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
スーパーで巨大な小枝チョコが売られてた。
誕生50周年を記念した50倍サイズのチョコとのこと。
手にした瞬間、自分が小人になった気分に。

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感謝完食

山神さまの巨大な弁当作りという20年に一度のお祭りを
通して、食への敬意がユーモラスに描かれた作品です。
どれくらい巨大な弁当かというと、米一粒のサイズが
子どもが両手で抱きかかえる程で、作業車まで動員された
調理風景は建設現場のようです。山神さまはどんな姿を
しているのか、なぜ巨大な弁当を作って迎えるのかは、
徐々に明らかになっていき、最後はプッとなってしまい
ました。村民たちも一粒一粒の米のごとく丁寧に描かれ
絵探し絵本としても楽しめます。中にはエッっとなる
キャラクターも混じっていて、時空を超えた祭りの
スケール感も伝わってきました。

最近はコンビニでも手の混んだお弁当が買えるように
なりましたが、店に並ぶまでには多くの人の手が
かかっています。食材を作る人、献立を考える人、
調理する人、時間通りに配送する人。しかも毎日です。
一粒一粒に感謝の気持ちを持って、いただこうと
新ためて思いました。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
巨大な食べ物にからめた絵本では
お祝いのケーキを作る「おおきなキャンドル 馬車にのせ」
蟻の視点で描いた「でんせつの きょだいあんまんを はこべ」
もおすすめです。絵柄と食べ物もマッチしてそれぞれに
味わい深いですよ。

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あわてなくてもだいじょうぶ〜☆

目標に向かって一直線に突き進むのもいいけれど、
ときには、ゆらゆらとしてみるのも悪くないなぁ。
なんて気持ちになれる絵本です。
表紙の絵や手書きのタイトルからしてそんな雰囲気ですね。
黄色いキャラクターはなんだ? 花?もみじ?星?お化け?
すぐに本をめくろうとせず、まずは深呼吸でもして
心にゆとりをつくりましょう。

流れ星に出会ったら消える前に願い事を唱えれば叶うと
言われます。逆に考えると、それができるのは普段から
自分が何をしたいか意識していて、一瞬のチャンスも
逃さない心構えがあるということではないでしょうか。

それとは別の視点もあります。道草をしたり、ペースを
おとしてみたり、ふと空を見上げたときにこそ出会える
流れ星もあるのだということ。つまり、それができるのは
心に幸運が入り込むゆとりがあるということですから。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
久々にCOCOSに行き、メニューの表紙が北澤さんの
イラストだったことに初めて気づいた・・・
いままでゆとりがなかったのだなぁ。

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直球をキャッチできるか

左手が大きい女の子を通して個性や多様性への理解を深める
絵本だと思いますが、かなり際どい内容ですね。
グローブのごとく大きい左手は比喩的な表現とはいえ
しっかり描かれていると違和感を持たざるを得なかったです。
少数派の左利き応援歌絵本としては受け止められます。
しかし身体障害に結びつきかねないので微妙に生々しい。

例えばこれが妖怪だったら何の問題もないのですが。
「いっちゃん:二宮 由紀子/村上 康成」では一つ目小僧を
主役に、同様のテーマがユーモラスに描かれていたので
素直に入ってきました。

女の子やパパとママも冒頭から手がでかいことをポジティブに
受け入れており、他人の揶揄をぶっとばす強さをも持ってますが、
本当はその前に色々な葛藤があったのではないかと想像します。
顔がアップになるシーンに文章はありませんが、多くの想いが
語られていました。この先、女の子が小学校へ進学したら、
手がちっちゃい男の子と出会うかも、なんて想像も。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
年末は久々に旅行できるかなぁ。

 
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思えば遠くへ来たもんだ

質問好きな男の子、お茶目でケーキの好きなモグラ、行動で気持ちを
伝えるキツネ、そして最も人生経験があると思われる馬の道中記を通し、
生きていくうえで大切な何かを伝えてくれる絵本です。

読み手によって、あるいは読むときの心境によって受け止め方は
変わってくると思いますが、個人的に印象に残ったのは
「いままでにあなたがいったなかで、いちばんゆうかんなことばは?」
という男の子の質問に答えた馬の一言でした。

この箇所だけでも膨らませて一冊の絵本にして欲しいくらいです。
逆に言うと、十数冊分もの絵本をまとめ読みしたかのような
ボリューム感がありました。

翻訳版は手書きによる文章の存在感が絵を圧倒してますね。
原書は線画&手書きの文章の筆勢やメリハリ感が一致してますが、
日本語になるとニュアンスが変わるのはやむ無しか・・

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
自分の人生はまだまだ続くのだ。
もっと遠くへ行けると信じて。

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