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童話のキャラが迷子に

この絵本の中で最も時間をかけて眺めたは冒頭の見開きでした。
オレンジ色の屋根に白い壁の街並みを高台から見下ろすシーン。
ここは地中海に面したヨーロッパの小さな街でしょうか。
よく見ると、ところどころに猫が小さく描かれています。
ペン画の線も味わいがあり、この絵の中を散策したいなぁと
思っていたら、ちゃんとできました。

絵本でいっぱいの本屋から始まり、草むら、猫たちがたむろ
している港、生活感のある小道、ちょっと怖い森などなど。
本屋の猫といっしょに風で飛ばされたものを探しながら街の
散策も楽しめたのです。実は風で飛ばされたのはとんでもない
者たち。絵本の中では魔法をつかえたり凶悪だったり
しますが、現実の世界では勝手がちがうようでしたね。

お馴染みの童話の世界と現実が交差するという不思議な
展開でしたが、全く違和感なく受け入れられたのは、
本屋そのものがそういう力を内在しているからかもしれ
ません。本という空想世界への扉があちこちで待ち構えて
いる異空間でもありますから。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
中学生の頃によく行った本屋の中でお気に入りの場所は
SF文庫本のコーナーでした。店の片隅にあって籠るには
もってこいの空間でもありました。ずらりと並んだ本の
タイトルを眺めているだけでも、宇宙や未来へと意識が
トリップできたのです。

 
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こんな街で暮らしたい

ふと、絵本の中に入ってみたいなと思うことがあります。
洒落た部屋や街やお店などが描かれていたりすると特に。
物語の本筋とは別に、勝手にこんなところで寝て起きて
食べて散歩して、などなど想像が横道にそれていくのです。

この絵本でもヨーロッパのどこかを彷彿させる洒落た街が
舞台になっているのですが、なぜか横道にそれることは
ありませんでした。なぜなら描かれているのは、その街に
暮らすハムおじさんの1日なので。こっちのほうへ行って
みないな、こんなことしなきゃな、なんて思ったりすると
おじさんも、そう行動してくれるので違和感なく絵本の
中に入り込めました。休日の朝によむと、心地よい気分で
1日をスタートできますよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
一昨日の地震警報はビックリしたけど、身の安全を
確認する猶予と心の準備ができたのが幸いし、
無事にやり過ごせました。

 
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素朴な質問からの幸せ

始まりは幼いペンギンの素朴な質問からでした。それに対する
ママの答えがいい。いかにもペンギンが考えそうなことです。
この贈り物は人に置き換えるなら結婚指輪に相当するのだろうか。
他にも様々な動物たちの子どもが、それぞれのママに同じ質問を
していきますが、全て納得できる回答でした。

それもそのはず。見返しにの解説によると、ちゃんと動物の
生態をふまえたものだったのですね。それらを教科書的に説明する
のではなく、子どもの感性でもちゃんと飲み込めるよう絵と文の
表現をかみくだいているところが素敵です。

帯によると、作者も同じ質問を5歳の娘からされて、しどろもどろ
になったとのこと。食後にグターっとテレビの前で横になっている
パパを横目に聞かれてたりして。ライオンの状況と同じように。
(すみません、勝手な想像です)

実際にどう答えたのか気になりますが、最後はタヌキの答えに
行き着くのではと思います。この絵本をよんだ子どもは、きっと
パパにも同じ質問をするかもしれません。たぬき寝入りしている
場合ではありませんよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
どうしてそんな質問をするの? と反対に聞き返して
みたくもある。

  
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妄想共有冒険絵本3

アブナイ絵本シリーズ第三弾は公園を舞台にした宇宙アドベンチャーです。
「アブナイかえりみち」「アブナイおふろやさん」と同様に仲良し5人組が
大活躍。公園の遊具をSFガジェットに見立て、地球滅亡の危機を救うべく
ロケットで旅立ちます。読む前からなんとなく内容は想像がつきましたが、
それを越えた迫力いっぱいの画面に圧倒されまくりました。
成功への鍵は妄想を共有するチームワーク。最大の敵は○○星人との遭遇
でしたね。宇宙旅行の供としてもおすすめの作品です。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
これにて本日の宇宙航海日誌完了なのだ。

 
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心はもう火星へ

子どもが一人でお使いをしたり、離れた家族の元へ旅行する
という絵本の系列の中で、最も進化した作品と言えます。
行き先が近所ではなく火星ですからね。しかも魔法や奇跡の
力を使わないのですから。移動手段は惑星間高速船。
バスや電車に初めて一人で乗るのだけでも大変なのに、
いきなり惑星間高速船とは!!! しかも航行中に動物語や
探査機の操作まで学習してしまうし。ひょっとして
子どもの姿をしたサイボークかニュータイプだったりして...

常人離れした女の子のニッキは別として、他の描写については
未来の科学技術を想定したリアリティの感じられるものと
なっています。未来の子ども部屋。宇宙エレベーター。
月行きのシャトル。宇宙ステーションなどなど、細部に
わたって丁寧に描き込まれ、自分も宇宙旅行をしている
気持ちになれました。いきなり未来へタイムスリップしても
これで大丈夫、みたいなイメトレにもなりますね。
子どもが宇宙飛行士をめざすきっかけにもなりうる絵本です。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
今日はめずらしくカレンダー通りに休日なのだ。
高校サッカー決勝戦が楽しみ。まさかいつも通勤で
そばを通っている大津高校が青森山田と戦うとは。

 
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おふざけクリスマス

これは良い意味で言ってるのですが、ふざけた絵本です。
まず最初のページのタイトルと作者名の組合せ方が妙です。
普通はこんなことしないけど、この作品については
違和感がない。テーブルの上にあるコップの描き方で変なものが
あるけど、いちいち指摘するものバカバカしくなるくらいです。
逆に表紙は細部にまでこだわっているので、実は意図的に
抜けた部分を作っているのかもしれない。

とある家族のクリスマスから始まる幸せそうなストーリーは、
突如現れる謎の声の主、さらに謎のプレゼント、などなど意表を
ついた展開の連続で全く先が読めません。

クリコを迎え入れることになったこの家族の問題は、最後に解決した
ように見えますが、表面の飾り付けが無くなっただけで、根本的な
謎は続いていることを彼らは自覚してないようです。

この作品を通して、作者が伝えたかったことは何か?
なんて問いがテストに出たら、正解する自信がないです。
クリスマス絵本として期待すると肩透かしを食らいますよ。
もちろん良い意味で。

あえて収穫をあげるなら人形はプレゼントネタとして使えそう。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
家のMACを7年ぶりに新調した。文字は印刷より読みやすく
なったしスピードもアップして快適です♪

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絵本で初詣気分に浸る

江戸時代には江戸から伊勢神宮までは二週間以上かかったようです。
歩くことが基本的な移動手段となるからですが、交通手段の整った
現代では二週間もあれば地球上のたいがいの場所へ行くことが
できるのではないでしょうか。二週間も歩くとなると旅としては
けっこう退屈なのでは(特に気短な人にとっては)と思いきや、
そうでもなさそうだな、というのが読後の感想です。

道中は東海道として整備されており途中に宿場町がたくさんある。
海沿いの景色を楽しめる共に、捕れたての魚介類も味わえた
でしょう。もちろん難所もあったでしょうが、川渡しの人足や
船などそれなりの手段も用意されている。気になるのは予算ですが、
100億円以上かけて宇宙に行くほどではあるまい。
仮にビジネスホテル(5000円/日)✕14日としても7万円。
他諸経費も入れて10万くらいの予算感覚か。

行き帰りのランドマークとなるのはもちろん富士山。
絵本の中でも旅人を見守るかのように描かれています。
当時の風俗文化の解説や妖怪がところどころに潜んでたりと
遊び心もあり、旅気分を満喫できました。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
いよいよ2022年の旅路が始まった。どんなエピソードが
待ち受けているのか。心の中の旅仲間と楽しみたい。

  
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