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はんぱなしのぱなしっぷり

なかなか強烈なキャラの男の子ですね。ぱなしくんは。
表紙の通り、髪の毛はのばしっぱなし、おもちゃは
遊びっぱなし、服ぬぎっぱなし、おやつ食べっぱなし。
ついでに鼻水たらしっぱなしで、クスッとなってします。
ジャンルとしては躾系の絵本ですが、押し付けがましく
むしろ、お化け・妖怪絵本として楽しめました。

見どころは、片づけしない子の元へやってくるお化けの
バリエーション。ベタベタしたり、むわむわしたり、
ぼわぼわしたり。ボスキャラも出てきてぱなしくんは
大ピンチに。助かる方法はいわずもがなです。
ぱなしくんの豹変ぶりも笑える。

今度は仕舞いっぱなしになったりして・・

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
話の流れからヒーローの登場する展開も想像しました。
サッサマンに変身するとか、かたづけいび隊とか、
掃除機のロボットとか。
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何かを始める後押しに

表紙をみて中身を色々と想像するのも絵本の楽しみのひとつ。
ぼくは、てっきりニワトリが旅をする話かと思ったのですが、
それは良い意味で裏切られました。

旅をするのは様々な動物たちです。見開きごとに変わります。
そして繰り返される言葉にハッとさせられました。
それは ”◯◯が□□たから たびにでた”
◯◯や□□には旅にでるきっかけとなった出来事が入ります。

といっても劇的なきっかけではありません。
毎日おこることだったり、ちょっとした事ことだったり、
ちょっとムリやりでは、なんてこともあったり。思うに
それぞれの動物たちは最初から旅に出ようと決意していた
のでは。後は行動を起こすきっかけだけが必要だった。

誰しも旅への欲求を抱えていると思います。
そして今の時期は ”コロナ明けになったから” なんて
きっかけを待ち侘びているはず。

きっかけは色々なれど、動物たちが行き着いた場所は同じ。
言葉はなくとも何かを共有した一体感に包まれます。
何かを始めたいときに、そっと背中を後押ししてくれる、
そんな絵本でした。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
イラストレーション 2022年6月号で本作のことを
知りました。楓さんのインタビューもあります。

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ほのぼの追走劇

絵本のストーリーは表紙から始まるものとぼくは考えています。
当然ながらタイトルも文章の一部、最初の文章なのです。

その観点でみると本作の表紙は分かりやすいですね。
”何かを追いかける系”に分類できる絵本であることは明確です。
しかも横長の装丁なので、横スクロールの動きで展開され、
途中で縦方向の演出があるだろうと予想しました。

ちなみに追いかける系の定番では「そら、にげろ:赤羽末吉」。
本書同様に帽子を追うなら「レオンのぼうし:ピエール・プラット」
といった作品が個人的なベンチマークであります。
作者の近藤さんは、あとさき塾を経ているので、当然ながら
その辺りの既存作もしっかり意識しているはず。
な〜んてことを考えながらページをめくりました。

いきなりまとめ的な意見を書かせていただくと、子どもの
日常世界の中で、読者の関心を画面に引き付け続けたところに
作品としての魅力を感じました。つまり、空や海に行ったり、
季節が変わったりといった、大胆な時空間的飛躍はありません。
しかし途中で出会った人たちや動物など、追走者のほうで
展開に膨らみを持たせているところがユニークです。
横長の画面ゆえに高さ方向で描ききれていない要素を
想像させる見せ方も、絵本としてデザインされてますね。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
今月は「シン・ウルトラマン」が公開される。
「シン・ウルトラセブン」も期待してしまうのは
先走りすぎだろうか。個人的にリメイクしてほしい
過去の特撮物は「怪傑ライオン丸」
七人の侍風にシリアス方向で作ってほしい。
そしてタイガージョーはカッコよく描いてほしい。
自分が生きているうちに叶うかなぁ。

 
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