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【絵本セレクション2022】

2022/12/31 Sat 09:20

今年の絵本レビューを振り返り10冊を選んでみました。

①のせのせ せーの!:斉藤 倫/うきまる/くのまり
→絵本をめくると世界が変わる


②大ピンチずかん:鈴木のりたけ
→日常あるあるテーマの・情報量・ユーモア、全てに共感


③おばけのかわをむいたら:たなかひかる
→シュールなお笑い変化球に幻惑される


④ムシてつ:牛窪 良太
→画面作りが個人的に好みなのです


⑤ぼくだけがしっているヘンテコなきかいのしくみ:大串ゆうじ
→子どもの妄想にしてもぶっ飛んでる


⑥ワニはどうしてワニっていうの?:大塚 健太/うよ 高山
→親子の会話がコントチックで微笑ましい


⑦ちいさい おふねの ぼうけん:マリナ・アロムシュタム/ヴィクトーリヤ・セムイーキナ
→芸術的な絵で冒険を堪能


⑧かえるのほんや:やぎたみこ
→様々な視点からの絵本讃歌


⑨こん と ごん てんてん ありなしのまき:織田 道代/早川 純子
→狐のコンビワークで言葉遊びを堪能


⑩くみたて:田中 達也
→ミニチュア見立てのビフォーアフターが意外


総括----------------------------------------------------
「新しい景色」:サッカーワールドカップで代表選手からよく聞いた言葉です。
結果は惜しかったですが、今年の絵本を振り返ってみると「新しい景色」を
みせてくれる作品が多かったように思います。①はその最たるもので、発想を
具現化した画力や装丁まで含めて完成度が高い。②はネタ選びのセンスと正に
図鑑といえる構成が斬新。③では斜め上のお笑い世界へ導かれました。

ちなみに今年のレビュー数/読書数=56/188 年々冊数が減ってきてるなあ…
レビューしたくなった作品は翻訳物より日本の作品の比率が高かったです。
なんだかんだ言って、日本の絵本表現はワールドクラスだと思う。
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原書はカエル語か?

絵本の魅力を絵本で伝えるという正統派作品です。
舞台となる本屋があるのは池のほとりにある柳の根元の穴の中。
カエルですからね。人気作品がおたまじゃくしの成長物語や、
ヘビやネコなどの怖い動物から逃げる冒険物だったりと、
いかにもありそう。さらにユニークなのは読む側だけでなく、
作る側、売る側にもフォーカスしているところです。

企画から取材、製本して販売と新作が生まれ出る過程が
物語としても楽しめちゃうのだ。この作品がきっかけで
絵本作家や本屋になりたくなる子がいるかもしれませんね。

本がたくさんある場所といえば図書館を舞台にした
「かいぶつのとしょかん」もおすすめです。


ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
長期連休中の楽しみのひとつが読書。そして元旦に
読む作品はもう決めてあるのだ。
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虫×鉄道×絵本の魅力が凝縮

子どもが電車で一人旅して祖父母をたずねるという
絵本ストーリーの定番フォーマットを踏まえつつ、
牛窪さんならではの独自性が詰まった魅力的な作品です。

舞台は小さな虫の世界。電車好きのカナブンこてつ君が
様々な路線を乗り継いで、じいじとばあばの住む山へ
遠出します。洒落たコラージュと手書きの絵が絡み合い
グラフィカルなタッチの中にも遊び心の詰まった画面は
全てのページが見どころです。虫好き電車好きの子ども
はもちろん、絵本通の大人も楽しめる作品です。

↓電車絵本は交通新聞社からユニークな作品がでてますね。
  

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
移動手段ではなく旅の一部として電車に乗ったのは
いつ頃だっただろうか?
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ピンチを楽しめる


これは共感できる!日常の失敗あるあるがたくさん
紹介されてます。ピンチの度合いを1から100段階に、
発生頻度を星1から5で評価し、関連するピンチや
対策法まで事細かに解説されています。

読後は色々なピンチを思い返してしまいました。
例えばカップ焼きそばを作るときでさえ色々なピンチが
待ち構えている。加薬の袋が入ったままお湯をいれて
しまったり、お湯を出すときに中身をこぼしてしまったり、
ソースの袋を開けるとき手についてしまったり、無理やり
押し出そうとたら横に飛び散ったり、割り箸を割ろうして
半端なところで折れたり。はぁ〜 

でもそれを体験して次はもっと注意をしたり、対策の
準備をしたり、メンタルが強くなったりとレベルアップ
していくのものですよね。そして同じ体験を誰かと
共有できると、なんか救われたり、同志に出会ったような
気分になります。この絵本もまさにそんな感じ。

表紙の男の子の牛乳パックの持ち方が変に見えますが、
これも過去のピンチを経てたどりついた方法と推察します。
(その分、他の注意がおそろかになったのでしょう)

↓絵本でのハプニングは異世界へ迷い込むきっかけにも


ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
スーパーでのレジ待ちは苦手。ここが早く進みそうと
並んだら店員が実習中で作業がゆっくりしてたり、
他の列に移ろうかどうか迷っているうちに、
先に並ばれてしまったり。コンビニにいって行列まで
したくないので、他のお客の動向をチェックしてレジに
行くタイミングをはかったり、もはやスポーツ。
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実は子ワニのほうが上手だった

タイトルにもなっているワニの子どもの素朴な質問に
とうさんワニがウイットの効いた…と言うよりほとんど
駄洒落に近い回答をします。ワッ!と◯◯して、そのあと
ニッ!と笑うから。なのだそうだ。じゃあ、ブタは?
タヌキは? ウマは? と矢継ぎ早な質問にもブレずに
答えるとうさんワニのボケぶりと、それに納得する
子ワニの会話が微笑ましいです。

親役、子役の二人組でよみきかせしたらコントですね。
絵本としては、ゆるかわタッチの動物たちの表情や
アクションに味わいがあります。子ワニが感心したまま
終わっても十分に楽しめる内容ですが、さらなる終盤の
展開で面白さがジワってきました。

こどもの素朴な質問系絵本でおすすめ
 

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
身内がコロナに感染したとのことで帰省は取りやめに。
年末年始は熊本に篭って読書三昧になりそう。
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空想力がフルパワーで作動

電気シェーバーやドライヤーなど身近な家電品。それが
出来上がるまでには多くの人が関わっている。設計する人、
製造する人、売る人などなど。そして忘れてならないのは
それらの機械を中で作動させる人の存在だ。世間には知られ
ていない仕事だが、この絵本によって明らかになったこと
は喜ばしい。小さな関取たちの絶妙なチームワークで作動する
お掃除ロボットやレスキュー隊さながらの熟練の技が
活かされた水洗トイレなど見応えがありました。
電動ミシンは動物虐待レベルですが…

もっとも見てみたくなったのは、そんな妄想をする男の子
の頭の中だ。工学やAIの知識が及ばないところを、自分の
知っている人力を駆使して成立させてしまうところが
見事です。単純に肉体を酷使させるのではなく、動かす
人々の心や体にまで配慮したシステムを構築している
ところに人間的な器の大きさも感じました。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
約2ヶ月ぶりの絵本レビュー。いつもは休日の
朝一番のルーティーンだったのですが、最近は
早朝散歩するのが日課になってたので。
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