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ふでばこのなかのキルル

2010/11/03 Wed 03:40

ふでばこのなかのキルルふでばこのなかのキルル
(2010/09)
松成 真理子

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夢とは同居し続けられないのか?

キルルとは、男の子が見つけた筆箱の中に入るくらい小さな竜です。
子どもと異生物が出会う話は、やがて切ない別れを迎えることが多いですが、
本作も例外ではありません。そんな話を読んで、ふと思うことは、夢はあくまでも
夢であって、人はどこかで現実と折り合いをつけねばならないのかってこと。

キルルは男の子の前にお爺ちゃんと出会っています。なんと50年以上も前に!
このエピソードが物語に奥行きを出しいるので、大人にとっては、いっそう
味わい深いものになり、読後の余韻にひたれる作品です。

竜(のような生き物)は、おそらく誰の心にもやってくる。
そして、人それぞれに関係を築きあげていくものだと思います。
自分の中に忘れられた生き物が居ないかどうか、問いかけられる絵本です。

--------------------【Review for Review】--------------------
インドのアパートに居た頃、ときどき見かけた子どものヤモリを思い出しました。
そいつに翼やヒゲがついた姿を想像すると、竜がリアルに実感できます。
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