8月6日のこと
2011/07/27 Wed 03:10
8月6日のこと (2011/07/15) 中川 ひろたか 商品詳細を見る |
絵本による被爆体験
その日付が、とある出来事の象徴になってしまったものがある。
3月11日がそうなってしまったように、8月6日もそのひとつだ。
語呂合わせでいけば、ハムの日とか制定されそうなもの。
しかし1945年以降、8月6日は、日本人にとって、とある出来事の
記憶として永久欠番となってしまった。だからこそのこのタイトル。
また今年は、日本中が核の力について、新たな認識をもつように
なった年であり、2重の意味でメッセージ性の高い作品と言えます。
(「原発いらねえ」とストレートに言ってはいませんが・・・)
作品の中で印象に残ったのは、あの光が瀬戸内海を照らしたシーン。
紙の白地を活かした表現がみごとすぎる。ずーっとながめていると、
被爆してしまうのではないかと、思わずページを閉じたくなった方も
少なくないのでは。それに続くは黒地に白い雲が立ち上がるシーン。
ピカドンの瞬間だ。さらに追い打ちをかける画面が続く。
長谷川さんによる迫力ある筆致は、情け容赦なく我々の心に
あの出来事を刻み込んでくる。話しの中心となっているは、
中川さんの母の実体験。悲しんだり叫んだりする場面はなく、
淡々と事実をつづったところに、出来事の深刻さがずっしりと
のしかかってきました。
再読の際、見開きの白いページに背筋が寒くなりました。
--------------------【Review for Review】--------------------
この絵本は発売と同時に購入。8月6日にレビューしようと思ってたのですが、
待っているのももどかしく、気持ちで書いてしまった。
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