とうさんとぼくと風のたび
2012/04/10 Tue 06:49
![]() | とうさんとぼくと風のたび (単行本) (2012/03/02) 小林 豊 商品詳細を見る |
風が導く心象的な旅
舞台は日本のどこなんだろう? 昔にタイムスリップしたのかなと思いきや
電車が走ってたり、信号機があったりするし・・・なんだか夢の中を
歩いているみたいな現実感の絵本。
旅に出る父子。風がふいてくるところまで ふたりでいってみよう と。
風? ある意味、ゴールはないと言える。まさに風任せって感じ。
しかし、彼らの足取りはしっかりしている。疲れたら休むし、ときには
列車や渡し船の力も借りる。
風のうまれるところをめざすというのは、あくまでもきっかけ。
父は息子にひろい世界を見せてあげようとしたのかもしれない。
目の前にひろがる今と昔が入り交じった風景は、父のたどって来た人生
のようにも思える、いやむしろ、日本人が風とともに生活を営んで来た
時空的な歩みを語っていると言ったほうがいいか。
だからこの旅には終点がない。彼らの意識は海を越えて大陸へと向く。
そして我々の眼差しもはるかな未来という水平線へ向けられる。
--------------------【Review for Review】--------------------
先週の強風を思い出す。いったいどこからやってきたのか、どこへいったのか。
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