みえないばくだん
2012/04/29 Sun 07:49
![]() | みえないばくだん (2011/12/20) たかはし よしこ/かとう はやと 商品詳細を見る |
爆弾的メッセージ
昨日読んで、レビューするのが難しい絵本だなと思っていたら、amazonではすでに
14件ものレビューがあって驚きました。本書が出た当初は好意的な反応があったものの、
今年の3月11日以降では批判的受け止めも目立ち始め、賛否が極端に分かれていますね。
絵本という寓話的な表現をとってますが、中身は完全に大人に向けたもの。
それはラストの問いかけで明らかに。当事者にとっては後味の悪い問いかけです。
人間を動物に、原発を別な発明品に置き換えたりすれば、露骨さが抑えられて、
こども向けにはなるかと思いますが、それでは作者として表現しきれないものが
あったのでしょう。教訓として単純化するにはあまりにも重すぎる問題だし。
善かれと思って開発され恩恵を与えているものが、一方では害悪にも成りうると
判ったときにどうするか? という一般的な問いかけに読み替えることもできます。
この問いかけに誰もが納得できる答えは無い。状況次第で我々自身が本書でいうところの
「えらいひと」にも「とかいのひと」にも「いなかのひと」にも成りうるので。
なんだか当たり障りのない文になってしまいましたが、
そんなことを改めて考えるきっかけになった一冊でした。
--------------------【Review for Review】--------------------
考えてみると自動車だってそうだよなあ。(原発とはレベルが違うけど)
より優れたものを生み出すか、今ある替わりの手段をとるか、
それとも昔の不便な生活にもどるか。後者を選ぶのは現実的に難しい。
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