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魔女にとられたハッピーエンド魔女にとられたハッピーエンド
(2012/04)
キャロル・アン・ダフィ/ジェーン・レイ

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思索実験的絵本

物語のハッピーエンドを盗むって!そんなことできるの?
この絵本の中ではそれが実際に起こります。するとどうなるか。

赤頭巾ちゃんはオオカミに食べられずっとお腹の中。
白雪姫は毒リンゴをかじって倒れたまま誰も助けない。
ヘンゼルとグレーテルは魔女の家から逃げ出せない。
などなど、おなじみの童話の結末が変わってしまうのです。
そして子どもたちの心は哀しみや絶望感で満ちあふれていく。

失ったとき、はじめてその価値がわかることってありますよね。
この場合は未来への希望とか、愛される幸せとか、困難に向かう勇気
といったものが心の中から失われることを意味するのでしょう。

このように書くと難解な内容にみえますが、大丈夫。
物語の文章を風に舞う木の葉のようにヒラヒラ飛ばしたり、
空中に文字をかけるペンを登場させたりと、ハッピーエンドを
視覚化して物体のようにあつかうことで、判り易く表現されてるので。

とはいっても絵本としては文字が多い。ある程度童話を読み慣れた後で
手に取ると、より楽しめる作品といえます。

--------------------【Review for Review】--------------------
昨日はとある物を求めてあちこち散策。ネットでみつけた店が閉店してたり、
別の商品に切り替わってたり、期間限定で今は無かったり、ことごとく空振り。
バッドエンドな日。そんなときもたまにある。
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