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かえるのじいさまとあめんぼおはなかえるのじいさまとあめんぼおはな
(2008/06)
深山 さくら

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殺し合いではなく、生き合いなのです

人の命の重みって今どれくらいあるんでしょうね?

カエルのじいさんにとっては、アメンボの命なんか空気のように
軽く取るに足らないものであることは確かなようです。
食べたからといって空腹が満たされるわけでもない。ただし、目の前で
動いていたら本能的に舌がのびてパクリとやってしまうこともあるという程度のこと。
ところが、それで両親を失ったアメンボの娘の立場からすれば、
悲しみの深さは計り知れるものでないことも確か。

絵本では、そんな二人を出会わせるという、あまりにも過酷なシーンが登場します。
カエルを前にしたアメンボの娘の命はなんと はかないものでしょう。
親の敵討ちなんて問題外です。彼女にいったい何ができるというのでしょう?

アメンボの娘が厳しい運命に向かい合おうとする姿は、最初とても見ていられませんでした。
それでも我々は、彼女が両親の死を乗り越えて前に進もうとする決意を最後まで
見届けなければなりません。それはカエルが生きようとするパワーを凌駕するのですから。

広大な宇宙からみれば、我々の命だってはなかいものです。
それでも…それぞれに生きていくしかないでしょう。
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