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おたまじゃくしのチャム

2008/07/02 Wed 22:37

おたまじゃくしのチャムおたまじゃくしのチャム
(2008/06)
竹中 マユミ

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悪いけどボクは夢をわすれちゃいないぜ

小学2年生のとき、親父から将来は何になりたい? と聞かれて
素直にサイになりたいって答えたら バカかといわれた。
そのとき使っていた筆箱に描かれているサイの姿が、ワイルドでかっこよかったから
そう答えただけなのに。

中学卒業を前に校長先生から作文の宿題がだされた。テーマは自分のなりたいもの。
この場合は、学校の先生とかスポーツ選手とか俳優などと書いたらよかったんだろう
と、今にしてみれば思います。そのときボクがなりたいと書いたのは鳥でした。
校長先生は卒業証書を手渡すとき、ひとりひとりに作文にちなんだコメントをして
くれたのですが、ボクのときはちょっと困ったようでした。

こんなボクは、大人になった今でも魔法の存在を信じています。
なんて書くと誤解されそうですが、絵本をたくさんよんでいると、ときどき
魔法をかけられたかような瞬間にであうことがあるのです。すぐれた作品には
そんな力が宿っているのです。

本書にもそんな力が感じられます。自分が大きくなったときの姿を夢見る
おやまじゃくしのチャム。ページをめくると、そんなチャムの気持ちと
一体になれる瞬間があります。読者はきっと幼いころの自分に一瞬にして
タイムスリップすることでしょう。

先鋭的な表現や強烈な個性があるわけではありませんが、
とっても絵本らしい絵本です。カエルもの、あるいは成長をテーマにした
絵本特集があれば必ずとりあげられる作品になるでしょう。

今日は空港へいき、新たな仲間を出迎えました。彼はとってもカエルずき。
ボクよりも年はいってますが、夢にむかうパワーは健在です。
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