fc2ブログ


色も積もれば


絵本では色をテーマにした作品が沢山あります。色を様々な個性に
みたてたり、白黒シーンとの対比で情感に満ちた世界の素晴らしさを
語ったりなど、傑作も多いですね。なので本書もいわゆる色育的絵本
かなと、軽い気持ちで読み進んでいたら、途中でドキっとなりました。

色が増え続けてカラフルになっていくことの意味するものが
全く別のものだったからです。元々自然界には存在していなくて、
海から流れ着いて来たり、時には空から降ってきたりするもの。
渡り鳥を始めとした動物たちは、それらが何か分らないので、
全てを称して色と呼んでいたことが判明していきます。
無垢な気持ちで色と接した結果、命を奪われるものもいる・・・

この絵本は我々の身近にある様々な色を通して、その向こう側にある
環境問題へ焦点を合わせています。東洋画風の墨絵に色が散りばめ
られていくことで、不協和音を演出した画面作りもみどころ。
急激な西欧化への歪までも伝わってきました。

---------【Review for Review】---------
今年は一日前倒しで一年の振返りをしよう。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示