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てをつなご。

2008/03/12 Wed 23:08

てをつなご。てをつなご。
(2008/02)
あいはら ひろゆき

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人生をスナップ写真のように描いた秀作

この絵本は 描かれていることよりも、描かれていないことのほうに
大きな意味が含まれていると言えますね。

タイトルにもある「てをつなご」というセリフが2度登場します。
体の不自由な父親と彼につきそう娘の間で、かわされた言葉なのですが、
1度目と2度目の間には長い長い時間の隔たりがあるのです。

娘も成長し、舞台となっている川辺の風景も変わっていることから、
時間の隔たりを感じ取ることができます。
ただし、その間にどんなことが起こったのかは全く描かれておらず、
そこは全てこちら側の想像にゆだねられているのです。

そうなると 他の家族との関係、経済的な問題、過去に起こった事件、
などなど生々しいことや下世話なことまで、考えてしまう方も多いと思います。
しかし、それら全てを包み込んでしまうほどの、おおらかさと、やさしさに
満ちた視線が画面を静かに支配しており、それを共有することができるので
救われた気持ちになれます。

植田さんの描いた、白い空と白い川辺は全てを知っているはずなのですが、
直接われわれに語ってはくれません。

真実は この本をよんだ あなたの中に見いだせるでしょう。
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