fc2ブログ


嗚呼、シルクロード

旅出つシーンに描かれた夕日の赤い空に見入ってしまいました。
中国の西安から西へ西へと進むシルクロードの旅は夕日の沈む
場所をひたすら目指す旅でもあったわけですね。
世界地図をあらためて確認すると、ユーラシア大陸を東西へ
横断するシルクロードは陸路最長のルートでもある。
しかも太陽の動きと共に夕日の沈む西を目指して進むなんて、
なんとも雄大でロマンに満ちたものだったでしょう。

イザベル・シムレールは自身の旅の体験をもとに
そこで目にする様々な自然や動物や昆虫、各地の民族や文化
との出会いなどを、繊細な描写で伝えてくれます。
一本一本の線がまるで蚕の眉から生まれるシルクの糸の
ごとく、なめらかに各画面をつないでいきます。
その旅を、蝶の王女様と言われた香妃の亡骸が生まれ故郷の
カシュガルの村へともどる旅程にオーバーラップさせ、
時空をまたいだ体験もできる作品でした。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
NHK特集シルクロードのDVDを観たくなった。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示