いちじくのはなし:しおたにまみこ:ブロンズ新社
2023/07/09 Sun 18:53
いちじくの胡散臭さがクセになる
お話に飢えている方がいらっしゃったら、ぜひこの作品を
手にとり、いちじくのおはなしかいに参加されたし。
舞台となるのは、前作「たまごのおはなし」同様に意識が
覚醒した食べ物たちのシュールな世界。
キッチンの住人たちをも夢中にさせたお話は、怪物退治や
お宝をめぐる海賊との対決などなど。スリルの中にも
どこか抜けたところがあって奇妙な味わいを出してます。
信じたくなるほどリアリティのあるホラ話なんですが、
その意味では、本作自体がそうなんですよね。
食べ物たち表情や人間の心理を模したセリフなどが
妙に生々しい。描かれている事は我々の住む世界
とたいして違わないのでは。
それはそうと、いちじくが出入りするカゴの中が怪しい。
オレンジやレモンがちらりと見えるので。語り部のいちじく
とは別に、脚本や小道具係等の裏方としてお話会に
からんでいるような気がしてならない。
ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
蔦屋書店熊本三年坂の本屋ni本屋へ。
本屋の中に本屋があるという二日間のイベント。
熊本の歌人くろだたけしさんにお会いし、
歌集「踊れ始祖鳥」にサインもしていただきました。
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