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きつねのでんわボックス

2006/09/26 Tue 17:02

きつねのでんわボックスきつねのでんわボックス
(2006/07)
戸田 和代

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ささやくようなタッチの絵が効いてます

狐と人間がからみあう童話は、泣ける話しが多いように思います。
すぐに思い浮かぶところでは、新美南吉の「ごんぎつね」や「手袋を買いに」などがありますね。
しかし今日からボクは、この「きつねのでんわボックス」を真っ先に思い浮かべるでしょう。

子どもを亡くした母ぎつねは、電話ボックスへやってくる男の子をみつける。
その子は遠い町に入院する母親と話しがしたくて、毎日電話しにやってくるのだ。
母ぎつねは、男の子と我が子とダブらせるようになり、電話ボックスでの会話に
耳をかたむけるようになります。ところがある日…

最近は電話ボックスもほとんど利用されなくなった。子どもまでが携帯を持つようになると、
この話しのようなシチュエーションは過去のものになってくるんでしょうね。
かといって、この作品が古くなることは決して無い。
なぜなら、ここに描かれている親子の心情は、いつの時代も変わらない、
変わらないでいて欲しいことなのである。

物語は後半で、ちょっとした奇跡が起こります。

現実の世界でも、そんな奇跡が本当に起こっているのだと信じたくなります。
自分が気付かないだけで…
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